Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
「…………」
平次は点頭きました。又左衛門に説明されるまでもなく、釜吉の話や、いろいろの情勢で、そのくらいのことは解っていたのです。
「それも箱を開いて、中から小判を抜いたんじゃございません。丁寧に空箱を持って来て、そっと入れ換えたのは憎いじゃございませんか」
佐兵衛もそれを言う時は、老実な顔に、サッと一と刷毛憤怒が走ります。
「手数なことをしたものだ。夜の明けるまで人に気が付かれないようにするつもりだったろう」
平次は部屋の中へ入って、床の間に積んだ三つの千両箱を調べましたが、それは古びの付いた細長い箱で、金具こそ厳重ですが、中は開けて見るまでもなく空っぽ、何の特徴もない代物です。
「こんな箱は沢山あるでしょうな、こちらなんかには?」
「ヘエ、京、大坂へ折々金を送りますから、土蔵の中には十二三用意がございます」
「目印はありませんか」
「その時その時貼紙をしますから、目印といってもございません。もっとも箱の隅には焼印が捺してありますが、この箱は御覧の通り店名の焼印を削り取ってあります。どこから持込んだか解りません」
「フーム」
平次も少し持て余し気味でした。