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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十三)青い帯

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme

Aozora Bunko

私は心を鬼にしました。――娘を寝かして、そっと抜け出し、弥惣と約束して丑刻(二時)丁度に蔵の前で落合って、あんなことになってしまったのでございます。銭形の親分さん」

「どっこい、障子を開けちゃならねエ。お前の顔を見ると俺は縛らずには帰られないことになる。――そのまま裏口から、八丁堀へ駆け付けるのだ。いいか」

平次はなおも続けるのでした。

「――間違っても、俺の指図だなんて言うな。分ったか」

「親分さん、心残りは、――この娘、お筆のことでございます」

「心配するな。お筆は俺が引受けて、年内には紅屋に嫁入りさせてやる」

「有難い、親分さん。それじゃ、お頼み申します」

「あれ、父さん、私も」

お筆はあわてて父の跡を追いましたが、その顫える肩は裏口に待機していた八五郎に押えられて、父親の彦太郎だけが、後ろを見返り見返り路地の外へ遠ざかって行きます。

*

その後のことは言うまでもありません。死んだ弥惣は稀代の悪党と知れた上、彦太郎の主家を思う衷情が知れて、昔のお裁きの極端な融通性を発揮し、形ばかりの遠島で二年目には江戸に還れました。

その間にお筆は、平次が親元になって、紅屋に嫁入りし、煙草入細工をして、藤吉を陥れようとした弥惣の倅弥三郎は、他の悪事まで露見して、どこともなく逐電しました。