Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
「お由良が家を出たのはゆうべの何刻だえ」
「まだ宵のうち、戌刻(八時)そこそこでございました。この節は物騒だから、女の夜歩きは止せと申しておりましたが、私に隠れるように、いつの間にやら見えなくなってしまいました」
「ちょいちょいそんなことがあるのか」
「ヘエ――」
気性者のお由良は夜歩きなどは何とも思ってはいなかったのでしょう。
「どこへ出かけるか見当くらいはつくだろう」
「夕方、伊勢屋さんが来たようでございましたが、店が立て込んでいるので、よくは判りません。ヘエ」
「いろいろ懇意な男があったようだな」
平次は苦々しくそんなことを訊くのです。
「そんなことはございません。世間では何と申しますか存じませんが――お由良は悧巧者で、勝手に男を拵えるようなそんな娘じゃございません」
「なるほどね」
それは多分本当でしょう。愛嬌があって、口上手で、ちょっと喉がよくて、眼から鼻へ抜ける才気と、人の心を見透す賢さを持ったお由良は、玉の輿のねらいが真剣だっただけに滅多なことで男と関係するはずはなかったのでしょう。
「それに、近いうちに、伊勢屋の旦那と祝言するはずでございました」
飯田町の酒屋で、ちょっと知られた物持の伊勢屋治三郎は、三年前女房に死なれてから、三十五の男盛りをやもめ暮しをつづけ、お由良が懐へ飛び込んで来るのを、長いあいだ待っ