Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
ていたのです。
「お由良を欲しいというのが、だいぶあったそうじゃないか」
「それはございました。御浪人の織部鉄之助様も、上総屋の番頭の金五郎さんも、若吉親方も、ここの息子の幾松さんも――」
お由良の父親は、娘の威力を勘定するように、慕い寄った男の名前を一つ一つ積み上げるのです。
「お由良は酒を飲んだのかい」
「ヘエ――」
商売柄、それは訊くだけ野暮だったのでしょう。
「伊勢屋へ嫁にやるというのは、いつのことだったんだ」
「近いうちというだけで、まだ日までは決っておりません。もっともいざとなれば、私風情の娘ですから明日にも嫁にやれないことはございません」
三
そこへお関が出て来ました。いや、出たというよりは尻ごみをするのを、八五郎に引出されたという方が穏当でしょう。
「ゆうべ、お由良が来なかったのか」
平次は静かに訊きました。
「ヘエ――いえ、お由良さんはもう三月も姿を見せません」
生れて初めて御用聞に物を訊かれて五十女のお関はすっかり顫え上がってしまったのです。
「お前の倅の幾松と、お由良を一緒にする心算じゃなかったのか」
「ヘエー、お由良さんが小さい時分には、そんなことを考えたことも言ったこともありますが、年頃になると、男達に騒がれるのが面白そうで、こちとらでは及びも付きませんでした」