Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 170.664 Zeichen · 341 Bildschirme
別に何の意味でもない、ただ会食の時に人々の眼を悦ばしめるため花が飾ってあるのさ」若紳士「よろしい、それならば風流も人の心を悦ばしめるため、美文も人の心を悦ばしめるためだからそれを無用とはどういう次第だ」と頻に責めかけられて中川も今は黙っていられず「僕は風流と美文を無用とは言わない。似非風流は亡国の基、似非美文は子弟教育の害になるという。しかしそれは今ここで説明する場合でないが食卓に花を飾るのは食事の愉快を増さしむるためだ。君なぞは食物を舌でばかり味わうと思うから間違っている。食物の味を心に感ずるのは眼と鼻と舌との三つである。盲目者は別にして誰でも先ず食物に対すれば眼を以てその体裁を視る。如何に味の良い御馳走でも盛り方が乱雑で皿が不潔であったらば食べる気にならん。第一に人の食慾を起さしめるものは眼の働きだ。その次は鼻で皿の中から香ばしい匂いが鼻を掠めればそこで一段の食慾を起す。悪い匂いが鼻を衝いたら忽ち胸が悪くなる。鼻の働きが済んだ後初めて口へ入れて舌で味うという順序だから食物の味は眼と鼻と舌の三つで感ずる。眼もそれほどに大切だから食卓の上へ花の飾りをする。