Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 170.664 Zeichen · 341 Bildschirme
中川打笑い「空気枕と鳥の身体とは訳が違う。鳥の身体が空気枕の様に膨らんでいれば誰にでも直ぐその奸策を見付けられるけれども、鳥の身体へ空気を強く吹込むと筋肉間の薄い膜を破って空気は小さな隙間へ進入する。しかるに今の破れた膜は粘着性に富んでいるから忽ちまた密着してその空気を洩らさない。譬えば大きな水泡が人の皮膚へ出来た時針の先位でちょいと突いて孔を明けても少し水が出ると忽ち皮の膜が密着して出なくなるようなものだ。鳥の体中へ空気を吹込んでおいて鳥の身体を逆さに持っていると空気は上へ上へと侵入して筋肉の間に停まってしまう。しかし吹き込んだ空気が残らず停まるのではない。幾分か戻って外へ出るが残りの幾分は中へ侵入して鳥の身体を大きく膨らせる。その空気が一番多く侵入する所は腋の下か腰の附け根だからそこを押えてみると空気の吹込んであるのはブクブクと気泡が動く。鶉なぞを買ったらよく試験してみ給え、清潔の空気ならばまだいいけれども人の口から臭い息を吹込まれるから溜まらない。肺病患者の息であったら忽ち病菌を植え付けるだろう。考えてみると気味の悪いものさ」とこの説明を聞きて若紳士は忽ち口を緘みぬ。