Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 143 455 caractères · 290 écrans
一方死んだ後の父親、音次郎と懇意だった万両分限の佐野屋正兵衛は、いろいろ説きすすめて、自分のところへ引取って世話をしようと言い出しますが、お染は平次夫婦の人柄に打ち込んで、万両分限の養い娘になろうという気もなく、ひたすら平次の家に日参して、百松の許される日ばかり待っております。
平次はその間にも活動を続けました。あらゆる証拠が百松を下手人として示しているにも拘わらず、百松の純情だけを頼りに、群がる疑いを解いてやろうと思い定めたのです。
蓼斎の庵室を平次が訪ねたのは、それから四五日後でした。
「ね、宗匠、――こんなわけで、百松が可哀相でならねえ。百松が三輪の万七に縛られたのは、お前さんの口一つだったんだから、もし、百松が無実なら、とんだ罪をつくるわけで、もう一度、あの晩のことを考えちゃ下さるまいか」
平次の折入った顔を、蓼斎もつくづく見やります。
「なるほど、親分にそう言われると、私も寝醒めがよくねえ。私の力で出来ることなら、どんなことでもしてやりたいが――」
剃り丸めた頭の手前、蓼斎もひどく困じ果てた様子でした。
「宗匠があの家へ出入りするようになったのは、どんな関係で?――」