Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 143 455 caractères · 290 écrans

Aozora Bunko

「ひどいことをするじゃないか」

平次は独り言を言いながら、尚も四方を見廻しました。母家と土蔵の間で、滅多に陽が当らないせいもあるでしょう、その辺はさんざん踏み荒らされて、どれが誰の足跡とも判りませんが、あわてたせいか、大抵は素足で、中にひときわ深いのも交じっております。

「金之丞さん、死体を抱き上げたのはお前さんだね」

「ヘエ――」

「この足跡がその時のだろう。金之丞さんのでないと話が面倒になる。ちょっと足を合せてみて下さるまいか」

金之丞は不気味そうでしたが、それでも素直に下駄を脱いで、深い足跡の上へ、自分の足を重ねます。

「おや? 金之丞さんの足より少し大きいようだが」

「こりゃ違いますよ、親分」

提灯を振りかざしたガラッ八も、足跡と足との間に、かなりの隙間があるのに気が付かずにはいません。

「こりゃ可怪しい。すると金之丞さんが死体を抱き上げた時の足跡は?」

「これでございましょう」

金之丞は三角石の側、半分血にひたった足跡へ、自分の足を持って行きました。なるほどそれもかなり深く印されたもので、金之丞の足にピタリと合います。

「こんなことでよかろう。――お内儀さんは物干から投落された。