Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 508 883 caractères · 1017 écrans
(何をっ)
といったような顔つきであったが――
「や……?」
眼を暗い空へ吊り上げて、耳のせいかとでも疑っているように、梢にうごく風を聴いていた。
すると、そこの宙の上からまた二度目の声がした。
「つまらない殺生をするなよ、源八っ――」
「あっ、誰だ?」
「小次郎だ」
「なに」
またしても小次郎だという人間が今度は空から降りて来そうなのだ。天狗の声にしては親しみがあり過ぎた。いったい幾人偽小次郎がいるのだろうか。
源八は、
(もうその手は食わない)
というように、樹の下から飛び離れると、脇差の先を、宙へ構えて、
「ただ小次郎とだけでは分らぬ。どこの何の小次郎か」
「岸柳――佐々木小次郎さ」
「ばかなっ」
笑い飛ばして、
「その偽物はもう流行らぬぞ。今もここで一人、憂き目を見ているのが分らぬか。……ははあ、さては読めた、おのれもここにいる又八とやらの同類か」
「わしは真物だ。――源八、わしはそこへ跳び降りようと思うのだが、おまえは、降りて来たらわしを真二つに斬ろうとしているな」
「ウム、小次郎の化け物、幾人でも降りて来い。成敗してみせる」
「斬れたら、偽小次郎だろう、だが真物の小次郎は、斬れッこない。