Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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やぎゅうつきかげしょう

柳生月影抄 名作短編集(二)

吉川 英治

Lisez 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 173 309 caractères · 352 écrans

Aozora Bunko

「そちは此処の土へ、一体何を埋めたのか」

と、土色の変っている所を指して訊ねた。

わしは包まず仔細をはなした。すると初めて、疑いを解いたらしく、

「左様であったか」

「不愍な事をしたのう」

と、食物もたべ、湯も口にして、なおいろいろな事を訊ねた上、わしの人間を見届けて安心したものか、

「実は、われら両名は、斎藤山城守様に随身の者だったが、義龍との一戦に敗れ、これより越前の穴馬まで、知る辺を頼って落ちてゆくところ。――そちも同じ途中と申すし、寄る辺もない身の上とあれば、幸い、ここよりわしらの供をして参らぬか。落着いた上は、若党として召使って遣わそうが」

わしは、結構なはなしだと思って、即座にお願いした。そこで二人の御主人は、花やかな鎧具足を着けて歩いていては、人目につくからと、二領の鎧を脱ぎ重ね、それを旗で巻いた上、さらに蓆ぐるみにして、わしの背へ担わせた。

旗には、桔梗の紋がついていた。

年上の主人は、二十九歳だとかで、眉目秀麗で、智慮ぶかい眸をしていた。

名は、後で知ったのだが、明智十兵衛光秀といい、山間の小城ではあるが、きのうまでは、美濃明智ノ庄の明智城の主だったお方である。