Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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やぎゅうつきかげしょう

柳生月影抄 名作短編集(二)

吉川 英治

Lisez 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 173 309 caractères · 352 écrans

Aozora Bunko

「たのむ。武士がこうして――」と、見苦しい程、昂奮してる岡本半助は、膝の下まで手を下げて、

「お情けじゃ、追い出して下され」

でも、みんな、黙然としていた。

「御承知なくば、やむを得ん、拙者自身で入る程に、無作法、おゆるし願いたい」

「あ……」

お次は思わず伸びあがった。

すると、若いのが、

「おっと、待ちねえ」

「なんじゃ、何で止める」

「あのお菰は、村の者はよく知ってるがそんな悪人じゃねえ。敵なんか討ったってつまらねえ話だ。堪忍してやんねえ」

「黙れっ、町人とはちがう。また佐太郎が悪人でないと、何を証拠に」

「だって、どう考えたって。――なアおい」

「よし、其方どもが拒むなら、彼奴が、這い出して来るまで、ここに頑張っておるぞ」

「それや、勝手だ」

武士は、そこにあった竹竿に目をつけ、蔵の中へ、突っ込んで、掻き廻した。

「佐太郎っ、出て来い。もはや、汝の天命は尽きたのだ。いさぎよく、半助に討たれろ」

若い者たちが、舌打ちして、

「やかましいや」

と、竹竿を引ッ奪くった。

「敵を討つのが、武士の商売なら、こちとらにも、稼がざ飯にならねえ商売があるんだ。邪魔だから、退いてくれ」