Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 143 455 caractères · 290 écrans
それに亭主の死骸の側で手荒なことをしちゃ、いかに御用でも寝醒めがよくねえ」
「親分は相変らず弱気だ」
「それでいいのさ、気が強くて考えが浅かった日にゃ、岡っ引は罪ばかり作るよ」
平次はそんな事を言いながら、町内の本道、町野玄道を訪ねました。
吉三郎毒死の顛末を細々と訊くと、
「親分、あれはどうも腑に落ちないよ、河豚の毒ばかりではなかったようだ」
「すると、何か外の毒でも盛られた様子で?」
「いや、そういうわけじゃない、第一あんな激しい毒薬は、江戸中の生薬屋を捜したってない、――南蛮物なら知らないが――」
「南蛮物?」
「やはり河豚にしておくほかはあるまい。三人で食って一人しか中らないというのは、河豚の外にはないことだ。鍋の中に外の毒が入っていたなら、三人が三人ともやられるはずだ」
玄道は大きな坊主頭を振るばかりです。
平次とガラッ八はもう一度吉三郎の家へ戻りました。が、お由はもう白い眼を見せるだけで、二人の問にもろくに答えてはくれず、親類縁者も、友達もない様子で、話を手繰り出す工夫もありません。
「お神さん、もう一つ二つ訊きたいが、お前さんとこの宗旨は何だえ」
平次はつかぬ事をきくのでした。