Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 143 455 caractères · 290 écrans
佐吉の傷は間もなく平癒し、お駒と与次郎は、相変らず忠実に勤めておりますが、それからは、別に変ったこともありません。もっとも、佐吉が強慾で、二人の給金を何年越し払わないそうで、イヤな思いをしても、急に飛出すわけにはいかない事情もあったようです。
その次に雪の降ったのは、明けて翌年の正月十三日。この時は朝から粉雪が降り続いて、夕刻には、三寸ばかり積り、それからカラリと晴れて、大変な美しい月夜になりました。
「今晩きっと下手人を探してお目に掛けますから、掛り合いになった人を、皆んな集めておいて下さい」
平次からの使いで、八五郎が越後屋へそう言いに行ったのは夕景。それから支度に取りかかって、三輪の万七とその子分、銭形の平次とガラッ八、それに与次郎とお駒、主人の佐吉、これだけ集めておいて、いつぞやの駕籠屋二人に、酒手をやって稲荷様の前に網を張らせ、浅草へ行く娘でなければ、乗せてはならぬと言い付けておきました。
相変らず酒が出ます。お勝手も入口も締めず、用心が悪いようですが、名代の御用聞が二人いるのですから、空巣狙いの心配もなく、今晩は例の居間の長火鉢の前へ、一人残らず集まってしまいました。