Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 143 455 caractères · 290 écrans
「ここに居るよ、石原の親分」
「あッ」
利助もさすがに立ちすくみました。息せき切って飛込んだ鼻の先へ、匂うばかりに半裸体の美女、しかも、その上半身には、十二支の内、七つまで、羽二重に描いた藍絵のように見事な文身がしてあるのです。
「お前は何だ」
「女よ――少しお転婆だけれど」
「その文身は?」
「ご覧の通り十二支さ、子から午まで、あとの五つを見たかったら面を洗って出直してお出で」
「何だと、女」
女はそう言ううちにも、肌を入れて前褄を直しました。
「反物は私が貰ったよ、皆さん左様なら」
小腰を屈めて、滑るように出ようとすると、
「待て待て、お前は先刻の野郎の仲間だろう、叩けば埃の出そうな身体だ。番所までちょっと来い」
と追いすがった利助、先へ廻って大手を拡げます。
ちょうど、その時でした。
「あッ、俺の紙入がない」
「俺の羽織がねえぞ」
「大変、着物がなくなった」
という騒ぎ、九十八人悉く裸体になっているのですからその被害は大変です。
泥棒は多分、先刻の蛇の文身の男の騒ぎから、引続いて女の文身の騒ぎの間に仕事をしたのでしょう、全然裸にされたのが二十二三人、あとの七十何人も、何かしら奪られない者はない有様です。