Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 143 455 caractères · 290 écrans
親分に遠慮して皆んな外へ出てしまったのでしょう。亥太郎の執念深そうな青い眼だけが、お珊の美色に絡み付くように、その顔から、頸筋から、縛られた胸を見詰めております。
「お珊、手っ取り早く言おう、俺とお前は昔の仲間、三年前に別れ別れになって、今は十二支組もあるわけはねえが、俺はどうもお前が忘られねえ……内々様子を探ると、お前は巳之吉と夫婦みたいに暮しているようだが、ありゃお前悪い料簡だぜ、巳之はあれから身を持ち崩して、泥棒、家尻切、人殺しまでやるそうだ、言わば十二支組の面汚しさ。そんな悪い人間はあきらめて、俺のところへ来るがいい、近頃商法が当って、金もだいぶ出来たから、お前に不自由させるようなことはねえつもりだ」
「お黙りッ」
――お珊はたまり兼ねてこう言いました。
「何?」
「黙って聞いていりゃ何だとえ、巳之さんは泥棒や人殺しをするから、別れろッて、――馬鹿も休み休みお言いよ、泥棒や人殺しはお前の方じゃないか、その上、昔の十二支組の者が、自分の素姓を知っているのが恐ろしさに、お前は、仲間の者を片っ端から殺して歩くっていうじゃないか。誰がそんな鬼のような奴の言うことを聞くものか。