Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 143 455 caractères · 290 écrans
それに、相続争いが、深刻になっているから、お縫や世之次郎と血で血を洗うような三つ巴の醜い争いが始まるに相違ない、かたがた三之助を呼び戻すのは、もう少し待って貰いたいと言う言葉にも理窟があります。
平次も、しばらくその意見に任せて、成行きを見ました。が、お町を殺した下手人はどうしても判らず、桐の空箱の行方もそれっきりわかりません。
三日目に、番頭の禄兵衛は、店で紙入を紛失しました。縫いつぶしの見事なものでしたが、中には幾らも入っていないから、騒ぐまでもあるまいと、自分の胸に畳んでおくつもりらしい様子でしたが、そんなことは知れ易いもので、半日経たないうちに、店中で知らないものはない有様でした。
五日目に、お品は家へ帰りました。平次へ一通り報告した上、父親の利助が、とかく身体が勝れないので、それを一晩見てやるためでもあったのです。
全く三右衛門はこの二三日ことのほか快く、時々は廻らぬ舌で物さえ言うようになったので、この様子で三廻りもすれば、元の身体にはならなくとも、時々帳尻ぐらいは見られるようになるだろうというほどになりました。
その晩、主人の部屋に泊ったのは、相模女のお村、始めのうちは、大きい眼を開いて、看護るつもりでしたが、次第に猛烈に睡気に襲われると、我にもあらず、健康な鼾をかいて寝込んでしまいました。