Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 143 455 caractères · 290 écrans
大晦日が近いから、少しは親分も喜ばしてやりてえ――と」
「何だと?」
「怒っちゃいけませんよ、ね、親分。銭形の親分は交じりっ気のねえ江戸っ子だ。不断は滅法威勢がいいが、宵越しの銭を持ちつけねえ気前だから、暮が近くなると、カラだらしがねえ。さぞ今頃は青息吐息で――」
「止さねえか、八、言い当てられて向っ腹を立てるわけじゃねえが、人の面をマジマジと見ながら、何てエ言い草だ」
平次も呆気に取られて、腹を立てる張合いもありません。それほど、ガラッ八の調子は、ヌケヌケとしておりました。
「箱根じゃ穴のあいたのを用立てたが、今日のはピカリと来ますぜ。親分、この通り」
そう言いながらガラッ八は、内懐から抜いた野暮な財布を逆にしごくと、中からゾロリと出たのは、小判が七八枚に、小粒、青銭取交ぜて一と掴みほど。
「野郎、どこからこれを持って来やがった」
平次はやにわに中腰になると、長火鉢越しに、ガラッ八の胸倉をギューッと押えたのです。
「あ、親分、苦しい。手荒なことをしちゃいけねえ」
「何をッ、この野郎ッ。どこで盗んで来やがった、真っ直ぐに白状しやがれッ」
平次の拳には、半分冗談にしても、グイグイと力が入ります。