Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate
四
なんだか、心が濶くなって、酒をのむにも、大杯でいただきたくなる」
「譜は、相府の楽士の手になったものでしょうが、今の詩は丞相が作られたものだそうです」
「ほう。丞相は詩もお作りになられますか」
「迂遠なことを仰っしゃるものではない。曹丞相の詩は夙に有名なものですよ。丞相はあれでなかなか詩人なんです」
そんな雑話なども賑わって酒雲吟虹、宴の空気も今がたけなわと見えた折ふし、主人曹操はつと立って、
「われわれ武骨者の武楽ばかりでも、興がありますまいから、各位のご一笑までに、ちょっと、変ったものをご覧に入れる。どうか、酒をお醒ましならぬように」
と、断りつきの挨拶をして、傍らの侍臣へ、何か小声でいいつけた。
四
なにか余興でもあるのかと、来賓は曹操のあいさつに拍手を送り、いよいよ興じ合って待っていた。
ところが。――やがてそこへ現れたのは、十名の獄卒と、荒縄でくくられた一名の罪人だった。
「……?」
宴楽の堂は、一瞬に、墓場の坑みたいになった。曹操は声高らかに、
「諸卿は、このあわれな人間をご承知であろう。医官たる身でありながら、悪人どもとむすんで、不逞な謀をしたため、自業自得ともいおうか、予の手に捕われて、このような醜態を、各※(二の字点、1-2-22)のご酒興にそなえられる破目となりおったものである。