Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
「行けって」
「ふム」
「てめえみたいな小僧は、とても当り前な武芸者や道場では、弟子にしてくれる筈がねえ。あの木賃宿にいる人なら、弱いので評判だ。てめえには、ちょうどいい師匠だから、荷持ちに使って貰えッて……。餞別にこの木剣をくれたよ」
「ハハハハ。おもしろい主人だの」
「それから、木賃の爺さんの所へ寄ったら、爺さんは留守だったから、あそこの軒に掛かっていたこの笠を貰って来た」
「それは、旅籠の看板ではないか。きちんと書いてあるぞ」
「書いてあってもかまわないよ。雨がふると、すぐ困るだろ」
もう師弟の約束も何もかも、仕済ましたりとしているのである。武蔵も観念してしまった。これは止めようがない――
しかしこの子の父、青木丹左の失脚や、自分との宿縁を思うと、武蔵は、みずからすすんでもこの少年の未来を見てやるのがほんとではないかとも考えた。
「あ、忘れていた。……それからね、おじさん」
城太郎は、安心がつくと、急に思い出したように、懐中をかき廻し、
「あッた。……これだよ」
と、手紙を出した。
武蔵は、いぶかしげに、
「なんだ、それは」
「ゆんべ、おじさんの所へ、おらが酒を持って行く時に、店で飲んでいた牢人があって、おじさんのことを、いやに執こく訊いていたといったろう」