Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Leggi 三国志(七) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 371.916 caratteri · 744 schermate
雁のみだれ
一
実に惜しむべきは、張飛の死であった。好漢惜しむらくは性情粗であり短慮であった。まだまだ彼の勇は蜀のために用うる日は多かったのに、桃園の花燃ゆる日から始まって、ここにその人生を終った。年五十五であったという。
雁のみだれ
一
大暑七月、蜀七十五万の軍は、すでに成都を離れて、蜿蜒と行軍をつづけていた。
孔明は、帝に侍して、百里の外まで送ってきたが、
「ただ太子の身をたのむ。さらばぞ」
と玄徳に促されて、心なしか愁然と、成都へ帰った。
すると次の日。
野営を張って、途中に陣していると、張飛の部下、呉班という者が、馬も人も汗にぬれて、追いついてきた。
「ごらん下さい。これを」
息を喘って、ただ一通の表をさし出した。侍側の手から受取って、玄徳は一読するや否や、
「あっ? 張飛が!」
ぐらぐらと眩いを覚えたらしく、あやうく昏絶しそうになった額を抑えて、その後、
「ううむ……」
と、ただ唸いていた。
手脚はおののき、顔色は真っ蒼に変り、額から冷たい汗をながしていたが、やがて、
「むしの知らせか、昨夜は、二度も夜半に眼がさめて、何となく、魂が愕いてならなかったが……」
と、つぶやき、やがてさんさんと涙して、