Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Leggi 三国志(七) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 371.916 caratteri · 744 schermate
四
四
あくる日。
五、六十騎をつれて、彼は陣中を見まわり、何気なく江の畔を歩いてきた。
ちょうど真っ赤な夕陽が、江の上流の山に沈みかけていたので、曹操はゆうべの夢を憶い出して、
「昨夜ふしぎな夢を見たが、吉夢だろうか、凶夢だろうか」
と、左右の将に語っていた。
すると、夕陽の光線と、江の波光とが相映じて、まばゆいばかりぎらぎら燃えている彼方の赤い靄の中から、一旗、二旗、三旗、無数の旗が見え始めた。
「や。敵?」
いうまもない。
黄金のに、紅の戦袍を着、真っ先に進んできた大将が、鞭をあげて、曹操をさしまねきながら揶揄していう。
「国を侵す賊は何者だ」
「孫権か。予は、曹操である。王室の順に従わぬ者は討てとの、勅を奉じて下った天子の軍である」
「あら、笑止」
孫権は、哄笑した。
「天子の尊きは、誰も知る。故に、天子の御名を詐るものは、人ゆるさず、地ゆるさず、天ゆるさず。孫権もまたゆるさぬ。人中第一の悪人曹操、首をさしのべよ」
これを聞くと曹操の気は怒るまいとしても怒らざるを得なかった。彼はまたも、敵の仕掛けた戦に誘われて戦った。この日の戦闘も、惨烈をきわめたが、結果は、魏の大敗に帰してしまった。