Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Leggi 三国志(七) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 371.916 caratteri · 744 schermate
二
啾々、秋の風に、星が白い。――幸いにも、夜だった。
彼は、鞭打って、疲れた馬を、からくも山路へ追いあげた。
だが、うしろから蜀兵の声がいつまでも追ってくる。
谷や峰にも、蜀兵の声がする。
「天もわれを見離したか」
玄徳は哭いた。
しかし、たちまち、山上から駆け下ってくる一軍のあるを知って、きっと涙をはらい、静かに最期の心支度をととのえた。
二
「名ある敵の大将とみえるぞ。生捕れっ」
はや、殺到した軍馬の中からそういう声が、玄徳の耳にも聞えた。
すると、聞きおぼえのある声で、
「待て待て。手荒にするな」と、将士を制しながら、玄徳のそばへ馬乗り寄せてきた者がある。見れば、何事ぞ、それは張飛ではないか。
「おうっ、そちは」
「やあ、皇叔にておわすか」
張飛は馬を飛び降りた。そして玄徳の手をとって、この奇遇に涙した。
蜀兵は山のふもとまで迫っている。事態は急なり、仔細のお物語はあとにせんと、張飛はたちまち全軍を配備し、蜀兵を反撃してさんざんに追い討ちした。
蜀将張任は、ふしぎな新手が忽然とあらわれて、精勇溌剌、当るべくもない勢いを以て城下まで追ってきたので、
「濠橋を引け、城門を閉じよ」