Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Leggi 三国志(七) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 371.916 caratteri · 744 schermate
三
「なんですっ、あなたは。男と生れながら意気地もない。――蜀の勢の十万二十万蹴ちらせないで、この南蛮に王者だといっていられますか。女でこそあれ、私が行けば、孔明などにこの国を踏みにじらせてはおきません」
この女性は上古の祝融氏の後裔だといわれる家から嫁いできて、よく馬に乗りよく騎射し、わけて短剣をつかんで飛ばせば百発百中という秘技を持っていた。
その代りに細君天下とみえ、孟獲はそういわれると、ぺしゃんこになった顔つきで一言もない。一族も事実敗戦に敗戦を重ねているので、共に閉口沈黙していた。
「一軍をおかしなさい。私が陣頭に立って、蜀勢を片づけます。孔明などに威を振われてたまるもんですか」
次の日、彼女は、巻毛の愛馬に乗り、髪をさばき足は素足で、絳き戦衣に、珠をちりばめた黄金の乳当を着け、背には七本の短剣を挟み、手に一丈余の矛をかかえ、炎の如く、戦火の中を馳け廻っていた。
その矛に当って斃れる蜀兵はおびただしい。蜀の張嶷、それを見て、
「不思議な敵」
と、うしろから迫った。
すると、突如、天空から一本の短剣が飛んできた。剣は張嶷の股に立ち、馬より逆しまに転げ落ちた。