Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Leggi 三国志(七) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 371.916 caratteri · 744 schermate
約二千余騎つつがなく渡るを得た。対岸は山地で、進むほど峻嶮となってくる。土人にきけば「夾山の羊腸」とよぶ所だとある。
馬岱軍は、大山の谷を挟んで陣を取り、その日のうちに、ここを通行する蛮人輸送隊の車百輛以上、水牛四百頭を鹵獲した。次の日にも獲物があった。たちまちこのことは、険阻のうちに結集している蛮軍十余万の胃ぶくろに影響した。
糧道を守る蛮将のひとりが、孟獲の本陣へ行って急を告げた。
「平北将軍馬岱が、一軍の新手をひきいて、流沙口を渡ってきました」
孟獲は酒をのんでいたが、聞くと笑って、
「河の半ばで半分以上は死んだろう、ばかな奴らだ」
「いや、夜中に越えてきたらしいので」
「誰が敵にそんな秘事を教えたか、土地の奴なら斬ってしまえ」
「もう間に合いません。敵は夾山の谷に屯して、こっちの輸送隊を襲い、毎日の兵糧はみんな奴らに奪われているので」
「なに、糧道を断ったと。何のために、汝れはその守りに立っているのか。木像め、――忙牙長を呼べ、忙牙長を」
これは蛮将中でも異様な槍を使う猛力無双な男である。呼ばれるや、その長槍を引ッ抱えて、
「大王、何です」とさながら仮面のような顔をつき出した。