Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Leggi 三国志(七) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.

N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 371.916 caratteri · 744 schermate

Aozora Bunko

「蛮王。また来たか」

と、呼びかけた。

孟獲は憤怒の眼を血走らせて、

「来たとはいえ、汝の手に生擒られて来たのじゃない。偉そうな面をするな」

とやり返す気か、満身で喚き立てた。

孔明は、逆らいもせず、

「そうか、そうか。しかし誰の手にかかろうと、全軍の総帥たるものが、縄目にかけられて、敵の陣中へ送られたりなどしては、はや汝の威厳も墜ち、その命令もよく行われまい。むしろこの時においていさぎよく降伏いたしてはどうだ」

「糞ウくらえ!」唾をしてその首を獅子のごとく左右に振り猛った。

「きょうの不覚は、まったく俺の油断から飼犬に手を咬まれただけで、俺の恥でもなければ、俺の戦法が悪くて負けたわけでもない。従って俺の部下は、なおのこと、この復讐を誓っても、この孟獲を見捨てるようなことは断じてないのだ」

「なるほど、汝はよい手下を持っている。しかし、次々に諸洞の配下が、みな董荼奴や阿会喃のようになって行ったらどうするか」

「俺ひとりでも戦ってみせる」

「ははは。何をいうぞ孟獲。その汝は、すでに擒人となって、わが面前に、指も動かせぬ身となっているではないか」

「…………」

「いま孔明が、首を刎ねろと、一言放てば、汝の首は、たちどころに、胴を離れる。