Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate
――
…………
「……ううむ。う、う、む」
董承はうなされていた。
「国舅国舅。いかがなされた?」
しきりと自分をゆり起していた者がある。董承はハッと眠りからさめて、その人を見ると、こよい客として奥に来ていた侍医の吉平であった。
「ああ。……さては、夢?」
遍身の汗に、肌着もしとどに冷えていた。
そのひとみは、醒めてまだ落着かないように、天井を仰いだり、壁を見まわしていた。
「水なとひと口おあがりなされたがよい」
「ありがとう。……ああ、あなたじゃったか、なにか、わしは囈言をいうたかの」
「国舅……」と、吉平は声をひそめて、病人の手をかたく握った。
「ようやくあなたの病根をつきとめました。――あなたのご病気は、あなたの腹中にも爪のさきにもない。乱脈な世の大患を、ふかくそのお心に煩って、悪熱をやどし、一面には、漢室の衰えに痛恨して、お食もすすまぬ重態となられたのでござろうが」
「……えっ」
「おかくしあるな、それも病を篤うさせた原因の一つです。日頃からおよそは、察していましたが、それほどまでにお覚悟あって、君のため三族を捨てて、忠義の鬼とならんと遊ばすお心根なら、この吉平もかならずお力添えいたしましょう。