Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

そして、戸棚の物、抽斗の中の物、納屋の物など、一所へ寄せ集めて、

「又さんも、武さんも、手伝っておくれ、これをみんな天井裏へ上げるのだから――」

「よし来た」

又八は、屋根裏へ上がった。

踏み台に乗って、武蔵は、お甲と又八の間に立ち、天井へ上げる物を、一つ一つ取り次いだ。

きのう朱実から聞いていなければ、武蔵は胆を潰したに違いない。永い間であろうが、よくもこう運び込んだものと思う。短刀がある、槍の穂がある、鎧の片袖がある。また、鉢のない兜の八幡座だの、懐に入るぐらいな豆厨子だの、数珠だの旗竿だの、大きな物では、蝶貝や金銀で見事にちりばめた鞍などもあった。

「これだけか」

天井裏から、又八が顔を見せる。

「も一つ」

お甲は、取り残していた四尺ほどの黒樫の木剣を出した、武蔵が間でうけとった。反り味と、重さと固い触感とが、掌に握ると、離したくない気持を彼に起させた。

「おばさん、これ、俺にくれないか」

武蔵がねだると、

「欲しいのかえ」

「うむ」

「…………」

遣るとはいわないが、当然、武蔵の意思をゆるしているように、笑靨でうなずく。

又八は、降りて来て、ひどく羨ましい顔をした。