후리가나로 읽는 일본 고전
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がくせいものがたり
楽聖物語
野村 あらえびす
野村 あらえびす의 楽聖物語(がくせいものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,667자 · 381화면
豊かなる愛
婦人は言うのである。
『私は近頃リストの伝記を読んで、すっかり感心してしまいました。昔からのエライ音楽者の中にも、リストほど立派な人はありませんね』――と。
この言葉は私にいろいろのことを思わせるのであった。
今からざっと百年前、二十歳から三十代のフランツ・リストの磁石的魅力は、全欧州至るところに五彩の颶風を捲き起さずにはおかなかった。ある婦人達はリストの触った花について論争し、ある婦人達はリストの捨てた葉巻の吸いさしを捜し回り、有閑婦人達の中には、金と境遇の許す限り、町から町へ、国から国へとリストの後を追い回すのさえあったのである。
この女軍の包囲から免れるために、リストは僧衣をもって武装するほかはなかった。彼はついに聖フランシスの帰依者となり、ローマ・カトリックの僧位を獲て始めて生活の安らかさを確保したのである。
豊かなる愛
リストの魅力は、百年後の今日までもインテリ婦人を感嘆せしむるのはなぜであろうか。私はもう一度リストの伝記を調べて見て、その由来するところを探究せざるを得なかった。
リストが古今無双のピアニストであり、革命的な作曲家であることが、大きな魅力であったには相違ないが、それよりも大きな原因は、リストの豊かな愛情と、類い稀なる優雅さと、さらに、その人間的な高さが、リストをしてあらゆる人の「崇敬