후리가나로 읽는 일본 고전
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がくせいものがたり
楽聖物語
野村 あらえびす
野村 あらえびす의 楽聖物語(がくせいものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,667자 · 381화면
三十五年の項に端なくも私との頻繁な往来の記録を発見し、幼稚なワグナー論の思い出と結び付けて、まことに今昔の感に堪えないものがあった。
当時世界を風靡したワグナー主義の運動は、上田敏博士(当時学士)などに紹介されて、日本の青年達をも熱狂させ、まだ聴かぬワグナーの音楽にまで夢中になったことは、中年輩以上のかつての文学青年達はことごとく記憶しているであろう。ワグナーの感化の猛烈さは、一時世界の音楽界を引摺り込んで「ワグナーに非んば音楽にあらず」と思わせたことは、あまりにも生々しき事実であったのである。
ワグナーの音楽の感銘は強大深甚で、その支持者はきわめて熱烈であった反面には、常に反ワグネリスムスの萌芽が育まれ、時あって全ワグナーの功業、芸術を、九地の底に葬らずんばやまざらんとしたことも事実である。褒貶相半ばするという言葉も、ワグナーの場合は必ずしも当らない。一八六〇年代から約四分の三世紀の間、ある時は世界はことごとくワグナーの敵であり、ある時は世界の三分の二は、ワグナーの熱烈なる味方であったのである。
今日の世界に、ワグナーの主張や音楽を全面的に支持する人はもはやあり得ない。