후리가나로 읽는 일본 고전
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がくせいものがたり
楽聖物語
野村 あらえびす
野村 あらえびす의 楽聖物語(がくせいものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,667자 · 381화면
――そう言って、さっさと、ベートーヴェンが待っているだろうところの自分の書斎の、ノートに還っていくのである。
同じレコードを二百回、三百回と繰り返して聴くのは、決して良い趣味ではないが、とにもかくにも、ベートーヴェンの音楽の感激度の高さとその説得力の強大さには、万々心得ているように思いながら、幾度も幾度も驚きを新にするのである。人類の歴史始まって以来、芸術の種類も数も夥しいことであるが、未だかつて、ベートーヴェンの音楽に匹敵する「力」を持ったものを私は聴いたことがない。
ミケランジェロの絵、シェークスピアの劇、ロダンの彫刻――それらは高貴な雄大なものであり、人類文化の誇りであるには相違ないが、ベートーヴェンの音楽の如くよき意味の大衆性を持たず、従って、百幾十年来数億の人の心に感激の黒潮となって流れてやまないベートーヴェンの芸術とは、その普遍性において、人の心への訴えの感度において、自ら差異のあることを否むわけにいくまいと思う。
世界いずれの国においても、音楽と言えば即ちベートーヴェンである。コンサートも、ラジオも、レコードも、いやしくも音楽に関するものの三分の一はベートーヴェンの名によって占められると言っても間違いではない。