후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
ことが出来るのであると思うと、標高僅に二千三百八十七米の低い山ではあるけれども、単に其頂上を窮めたということ以外に、或大きな仕事の準備を遺憾なく仕終せた時の強い意識と満足に伴う快感とを喚び起したのも無理はない。
大窓の大雪渓を瞰みたいという希望は、東に続く前山の峰頭に遮ぎられて駄目であった。対岸の山腹には路らしいものがうねっている、能く見ると何か其上を動いているようだ。双眼鏡で覗くと果して人であった、而も洋服を着た者が二人迄交っている。この三、四日人影を見なかった私達は、物珍らしさに帽を振ったり手拭を振ったりして、盛に呶鳴った。オーイと幽かな返事が来る。小黒部鉱山の発展に連れて、新道が開鑿されたものであろうと想う。寂莫無人の境を想像して、私達の胸に秘められた荒らかな、そして美しい大窓の別天地は、其の余りに人臭いのに少なからず興趣を殺がれざるを得なかった。突然地の底から大砲でも放ったような響が続けさまに二度、谷の空気を劈いて山から山に遠鳴りした。何だろう、雪崩れだろうかと話し合っている胸先に、不図厭な考えが浮んで来た、山体を破壊し併せて人間の性情を破壊する詛わしいダイナマイトの響。