일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면

아오조라 문고

夫が今年からは何の心配もなく心長閑に林の中を通行し得るようになったのは、時間と労力とを省く点に於ては、大なる利便を得たと共に、単に登山という見地からいえば、惜しいことであるともいえる。この林道は畠山の小屋附近までは、既に前年造られてあったもので、それから上の部分が今年新に開かれたものである。近い中に更に峠の頂上まで続けるとかいう噂を聞いた。尤も地勢の関係上、雪渓から上は道を造ったにしても、頻々として雪崩に襲われるから、年々大修繕を加えなければ、道形を維持することは困難であろうが、事実として現れぬとも限らぬ。そうなった暁には黒部川に釣橋の架けられるのも遠いことではあるまい。孰れにしても針木峠は既に十年前の針木峠ではない。あの峠に向って一歩を踏み出した登山者に対して、その荒胆をひしぐような刻々の不安と期待とに背かなかった自然の儘の針木峠、其姿は最早永久に見られる期はないであろうか。自分は過去にのみ憧れんとする自分の固陋なる執着心を今も尚お思い切って山の何処かへ破れ草鞋の如くかなぐり棄てることの出来ない意気地なさを憤ろしく思う。

(大正七、二『山岳』)