후리가나로 읽는 일본 고전
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がくせいものがたり
楽聖物語
野村 あらえびす
野村 あらえびす의 楽聖物語(がくせいものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,667자 · 381화면
憂鬱の総勘定
八六年に「第五交響曲」を書き、歌劇「スペードの女王」を完成した。舞踊曲「睡りの美人」と一代の傑作「胡桃割組曲」を世に示したのは一八九二年のことである。
憂鬱の総勘定
その頃から、強健なチャイコフスキーの肉体もようやく衰え、眼も次第に悪くなって来た。彼は二度目のクリンの町外れに居を定め、静寂な境地に、隠者らしい生活を続けていた。
「淋しい炉辺に、勝ったことのない三番勝負にことごとく勝つことを望みなから――」と友人がその頃の彼の生活を記録している。
その境遇のうちに、最後の天才の焔は、六度目のシンフォニー「悲愴」として燃え上ったのである。この作には一八九三年八月三十一日と日付が書かれている。彼が出版者に出した手紙に、「他のどの作品よりも自信がある」と書いたシンフォニー、一度は「標題交響曲」と命じながら、弟の注意で「悲愴交響曲」と命名し直したシンフォニー、これこそは、チャイコフスキーの全生涯の総決算で、その自伝であると言われ、一方にはまたその救いのない絶望感のために、「死の予感」があると言われた不思議な傑作である。
この曲はチャイコフスキーの生まれながらの憂鬱の総勘定であり、高度の悲劇的緊張をもって終始したものであり、人の知らない苦痛への掘り下げであり、人間のあらゆる希望に終りという封印を捺したものであると言わ