후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
御柱宙に昇る
すなわち、拙者は弟じゃ!」
「ナニ、冠者の弟とな?」
右門は思わず飛び退さった。
「いかにも冠者の義弟でござる。冠者の弟と知ったからは、拙者を見遁がしはなさるまい。拙者もそなたを見遁がしはせぬ。いざ尋常に勝負致そう。と、このように申しても、二人の技倆は五分と五分、いまさら切り合いも変なものじゃ。いっそそれより力試し、ここにある柱とそこにある岩、金剛力で引き抜いたものが、勝ちにしようではござらぬか」
五右衛門は意見を云うのであった。もちろん、右門に否やはない。
「力試しとは面白い! 柱であれ岩であれご随意の方を、いざお手前からお選びなされい」
「しからば拙者は柱の方を」こう云って五右衛門は柱に寄り、両腕でグッと引っ構えた。
「しからば拙者はこの岩を」こう云って右門も手を掛けた。
「いざいざ手並みをご覧あれや」
五右衛門は一声叫んだが、口に唱うる秘法の呪文! しばらく瞑目すると見えたが、声と共に両の腕に引っ構えたる巨大の柱、一尺余り引き抜けば、根もとの地面八方に割れ、土煙りと共にユサユサ揺れ、そのままスルスルと力柱、宙に向かって昇って行く、遅く出でたる片割れ月は、柱の頂きに引っかかり、光芒蒼く利鎌の如く、夜嵐颯々と吹く中に、突っ立ち上がった五右衛門の姿は、悪鬼羅刹よりも物凄い。