후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
螺旋階段
何んと云うべき言葉もない、二人はじっと黙っている。
しかし葉末の心持ちは、今、満足しているのであった。
彼女は恋人を助けたのだ! そうだ、神保市之丞こそは実に彼女の恋人なのであった。
彼女は石右衛門の娘である。で、これまでも幾度となく父石右衛門の後に従って城内の土牢へ行ったことがあった。そうして無数の囚人達を無感覚の眼で見たものである。
ある日、やはり同じように父に連れられて土牢へ行った。その時見たのが市之丞である。気品のあるその容貌、物に恐れぬ勇士の態度。――彼女は初めて市之丞によって恋と云うものを知ったのであった。
その初恋の市之丞が、殺されねばならぬと聞かされた時、乙女心の一本気からどんな危険を冒してでも助けようと思うのは当然であろう。で、今夜、熟睡している父の寝息をうかがって虎狼の宮へ出かけて行き、そこに出来ている間道から、城内土牢にまで忍んで行き救い出そうとしたのであったが幸い土牢にまで行く必要なく、救い出すことが出来たのは天の助けとでも云うべきであろう。
そこでこうして精根を疲労らせ、グッタリ仆れておりながらも、二人一緒にいるのだと思えば彼女には嬉しく思われるのであった。