후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
されど今はこれ等の精も森の奥の何処かの洞穴に隠れて、蕭条たる原は空しく冷い風が吹いている許りである。北は木立の間から燧岳の双尖と桍腰山の平な頂上とが窺うように原を覗いている。南は緩やかな傾斜で低くなって行く原を限る針葉樹の梢が眼の高さに止っているので、視界はそっちに開けているが、山という山は灰色の雲にすっぽりと包まれてしまった。雲間を洩れる夕日の光も木立に遮られて、其力ない影はもう原にはとどかなかった。子供のように側目もふらず苔桃の実を摘んでいた私達は、急に寒さの加わるのを覚えて立ち上った。時計を見ると四時半である。泊ってもいい時刻であるが、此処は好ましい場所ではない。鬼怒川まで下って河原に泊れば明日は好都合である。其処まで行けなければ途中で泊ることにして、原の東南の隅から同じ方向を指して林の中を下り始めた。
木立が深いので下草の笹は短かった。唐檜を主として黒檜や羅漢柏の大木が交った原始の針葉樹林は、この冬枯にも尚お生気の溢れているような爽かさを感ぜしめる。暫くして水の流れた窪に出た。其窪もいつか谷らしい形になって、笹原をうねっている。四、五人の野営には有り余る程水が溜っている所もあった。