일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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めいあん

明暗

夏目 漱石

夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면

아오조라 문고

その時叔父は鼻の頭へ皺を寄せるようにして津田に云った。

「兄貴はそれでも少し金が溜ったと見えるな。あの風船玉が、じっと落ちつけるようになったのは、全く金の重みのために違ない」

しかし金の重みのいつまで経ってもかからない彼自身は、最初から動かなかった。彼は始終東京にいて始終貧乏していた。彼はいまだかつて月給というものを貰った覚のない男であった。月給が嫌いというよりも、むしろくれ手がなかったほどわがままだったという方が適当かも知れなかった。規則ずくめな事に何でも反対したがった彼は、年を取ってその考が少し変って来た後でも、やはり以前の強情を押し通していた。これは今さら自分の主義を改めたところで、ただ人に軽蔑されるだけで、いっこう得にはならないという事をよく承知しているからでもあった。

実際の世の中に立って、端的な事実と組み打ちをして働らいた経験のないこの叔父は、一面において当然迂濶な人生批評家でなければならないと同時に、一面においてははなはだ鋭利な観察者であった。そうしてその鋭利な点はことごとく彼の迂濶な所から生み出されていた。言葉を換えていうと、彼は迂濶の御蔭で奇警な事を云ったり為たりした。