후리가나로 읽는 일본 고전
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めいあん
明暗
夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면
「いや解らない」
「そうでございますか」
兵児帯を締め直した津田の後ろへ廻った下女は、室を出ようとする背中から羽織をかけてくれた。
「こっちかい」
「今御案内を致します」
下女は先へ立った。夢遊病者として昨夕彷徨った記憶が、例の姿見の前へ出た時、突然津田の頭に閃めいた。
「ああここだ」
彼は思わずこう云った。事情を知らない下女は無邪気に訊き返した。
「何がです」
津田はすぐごまかした。
「昨夕僕が幽霊に出会ったのはここだというのさ」
下女は変な顔をした。
「馬鹿をおっしゃい。宅に幽霊なんか出るもんですか。そんな事をおっしゃると――」
客商売をする宿に対して悪い洒落を云ったと悟った津田は、賢こく二階を見上げた。
「この上だろう、関さんのお室は」
「ええ、よく知ってらっしゃいますね」
「うん、そりゃ知ってるさ」
「天眼通ですね」
「天眼通じゃない、天鼻通と云って万事鼻で嗅ぎ分けるんだ」
「まるで犬見たいですね」
階子段の途中で始まったこの会話は、上り口の一番近くにある清子の部屋からもう聴き取れる距離にあった。津田は暗にそれを意識した。
「ついでに僕が関さんの室を嗅ぎ分けてやるから見ていろ」