후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
て突然にも戦をいどまれたそのために、働き盛りの壮丁は国を挙って召し上げられ廩米は兵糧につけ出されて、我々女や老人の口へはそれこそ一粒もはいりはせぬ。飢餓が目前に迫っている。木の根木の皮草の茎松笠までも食い尽くした。伊那の高遠の十里四方には生色あるものは一つもない! ――怨めしいのは伊那のご領主伊那五郎盛常殿じゃ」
「お助けくだされお助けくだされ!」
「おたすけくだされおたすけくだされ!」
「米一粒でもよい、榧の実一つでもよい。たべる物をくだされ! たべるものをくだされ!」
ここは伊那家の管領地の高遠城の城下町で、飢餓に迫った人々が、大地をのたうち廻わりながら口々に罵り騒いでいる。
去年一年の天変地妖で米も野菜も穫れればこそ、持ち越しの米麦に木の根を混ぜて、ようやく冬までは支えて来たが年が代わって春にうつるや日頃怨みある木曽義明が一人の側室にうつつを抜かし、これのみ恐ろしく思われていた花村甚五衛門宗房を、己が屋敷へ押し込めたという、間者の注進を聞くや否や伊那盛常は躍り上がり、国を挙って軍勢を集め、降り積む雪を落花と見て、鳥居峠の此方までひしひしとばかり押し寄せて、峠を登って木曽家の軍勢――洞院左膳の軍勢と、ハタとばかりに衝突たり、ここに合戦が開らかれた。