후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
このように山尾は思うにつけても、男嫌いで通して来た今までの自分に引き代えて、右門の姿を見てからは、その男らしい容貌肢体に吸われるように引き付けられ、身動きの出来ない今の自分が、怪しくも悲しく思われるのであった。
「もしや私のこの心持ちが、恋というものではあるまいか」
このように思えば思うほど、相手の右門が慕わしく、こうして寂しい秋の野をたった二人きりで歩いて行くのが、うれしいようにも思われるのであった。
脚にからむ枯草を分けながら、右門はいつも先に立って、スタスタ歩いて行きながらも、心の内では考えている。その考えは山尾のように決して艶かしいものではなく、
「思わぬ所で思わぬ人に、危難を助けられたばかりでなく、助けてくれたその人はまだ妙齢の処女ながら、古今の秘法に通じた女子。これこそ日頃尋ね求める、我らにとっては大事の加担者! これを手放してよいものかと、礼を厚うして請い求むれば、意外にもすぐ諾いくれて、共に木曽路へ行こうと云う。我らにとっては百万の味方、この女子さえ味方にあらば、御嶽冠者の邪法といえども、打ち破ることいと易し。そもそも日本は神国ゆえ、西班牙あたりの邪法なんど、陰陽道の正道には、打ち勝ついわれ断じてなし! かかる女子を得たというは、神々いまだ木曽のお館を見捨て給わぬ証拠であろう。