후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
股や肩先には幾ヵ所となく、狼の歯痕が付いていた。
武兵衛は危険に落ち入った。この時忽然背後の辻堂の扉が、内部の方から開けられて、そしてそこから現われ出たのはまだ前髪の若衆である。
若衆は辻堂の縁に立ってしばらく様子を眺めていたが、やがて大声に呼ばわった。
「天晴れ見事の棒の手練、ほとほと感心仕つった。しかし悪獣の詭計に掛かられ働き難儀と見申したれば、微力ではござれど助太刀申す!」
声もろともに太刀抜きかざし群がる狼の真っ只中へ飛鳥の如く飛び込んだ。
この若者の働きは武兵衛にもまして鮮かであった。彼はさながら小鳥のように自由に空中へ飛ぶことが出来る。秋の木の葉が風に舞うように、春の胡蝶が花に泥むように、自由自在に空に向かって高くも低くも飛ぶことが出来る。さすが悪獣の狼の群も彼に向かっては泥の目潰しを、投げ付けることは出来なかった。美しい若衆が月に向かってヒラリと体を翻えし地上に下りる一瞬間、颯と下ろす小太刀と共に、狼の首が血にまみれながらゴロリと雪の上へ転がる様子は物凄くもまた目覚しかった。
こうしてほとんど小半刻あまり、人と猛獣との格闘が雪の山路で行われたが、白毛を冠った狼が、若者の太刀下に斃れると同時に狼の群は山奥を目掛けて散々に散って見えなくなった。