후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
と芳江は訊き返した。
「甲虫の取り合いをしましたわい!」
「おお、おおそんな事もござんした。その時私は六歳か七歳。そうしてお前は十歳か十一……ああ、あの頃は罪がなかった」
「幼馴染みのその俺には優しい言葉の一つもかけず、敵方の身内の若い男と恋語りするとは何事じゃい!」白痴の粂太はこう叫ぶとやにわに市之丞へ飛びかかって行った。
「これ!」と芳江は仰天して素早く粂太を引き退けたが、「家来の伜、殊には白痴、気の毒に思うて幼い頃から目を掛けて使ったこともあったが、命より大事の市之丞様へ無礼の振る舞いするからはもはや捨てては置かれませぬ。粂太、お父上に申し上げてすぐにも山から追い出しますぞ」
「ええ、お前様のお口からそういう言葉が出ると云うのは、この若者がさせるからじゃ! おのれどうするか見ているがよいわ!」
またもや武者振り付こうとするのを芳江はきっと睨み付けた。
白痴を相手に立ち廻わることも大人気ないと思ってか黙然と立っていた市之丞は、おりから手近の人家から一番鶏の啼き立ったのに驚きの耳を澄ましたが、
「お暇申す芳江殿」と名残り惜しそうに声を掛けた。「お聞き遊ばせや、一番鶏が帰らねばならぬいつもの時刻を告げているではござりませぬか」