후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
その容貌はどうかというに、あたかも飢えたる鷲のように、鼻尖り頬凹み唇薄く、一眼盲いて瞼垂れ下がり、他の一眼は玲瓏と澄んで紫色の光を放し、じっとその眼で睨まれたならば、そのまま凝って石となるという希臘の怪物メズサの眼さえこれには及ぶまいと思われるほどに鬼気を含んでいるのであった。総髪を長く肩に掛け、オースチン師の献上物、西班牙産の金剛石を黄金の鎖にからませて、項から胸へ垂らしたのさえ異国めいていて物凄い。直垂の上に腹巻を着け黄金作りの小刀を癇癪らしく前方へ手挟み、鉄扇を机に突き立てた様子は、怒れば関羽笑えば恵比寿、正に英雄偉傑の姿を充分に備えているではないか。
彼と机を一つ距てて静かなること林の如く粛然と椅子に腰掛けているのは白衣を纏ったオースチン師で、この両人の対照はまことに一幅の画であった。
机の上には絵図面がただ一葉だけ置かれてある。
まことに一葉のこの絵図面にこそ葡萄大谷の一大事が――と云うよりも天蓋山の金山に関する一大事が繋ぎ掛けられているのであった。
日頃容易には居城を離れぬ尊厳比びなき弾正太夫がわずかに数人の部下を連れ騎馬で吟味所まで乗り付けて来たのも、この絵図面が今夜ようやくオースチン師の手によって作り上げられたという嬉しい報知が城まで届けられたからであった。