후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
ヒューッと窓から投げ出した。
窓から飛び出した熊の皮は、空に浮かんで漂ったが見る見る形大きくなり、十畳敷き余りに拡がったが再び身を縮めて窓から飛び入り室の真ん中へふわりと落ちた。
「ご老師、数馬殿、お乗りなされい! 権六参れ!」
と呼びながら、御嶽冠者はひらりとばかりに熊の皮へ飛び乗った。弓を持った権六がそれに続き、老師、数馬も驚きながら、云われるままに身を乗せた。
ふわりと熊の皮は浮き上がり、あたかも巨大の荒鷲が、羽繕いして空飛ぶように、窓を抜け空に浮かび、二、三度グルグル廻わったかと思うと大鼠山を背後にし、岩石ヶ城の天主を越え、西南を指して天翔ける。
蒼々と晴れた昼の空。ポッツリと浮かんだ一つの斑点。すなわち四人の人々を乗せた飛行自在の熊の皮である。
西南へ、西南へ、西南へと、虚空を縫って飛んで行く。
二人左陣
ここは加賀の白山である。十二峰中の随一峰。瑠璃ヶ岳の奥深く、霧にとざされた大谿谷が広々として横臥っている。
太陽は今空に輝いてはいるが鬱蒼たる樹々に遮られて月夜のように薄暗い。
谷には花が咲き満ちている。
小鳥が諸所で啼いている。
その花の色も鳥の音も皆蒼白いように思われる。