후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
寝台が眼の前へ現われて来た。距離が一尺となり五寸となった。まさに彼女は押し伏せられようとした。
と、その時、部屋の外から、
「お父様!」と呼ぶ声が聞こえて来た。
それは無邪気な女の声であった。
それを耳にすると大物主は、弾かれたように飛び上がり、あわてて鳰鳥を突き放して渋面を作って突っ立った。
女の声は近寄って来た。
「お父様! お父様! お父様!」
そうして部屋の戸口へ来て、あどけない眼差しで差し覗いた。
大物主の一人娘、麗人国の讃美の的、美しい十七歳の美麻奈姫であった。
孔雀を刺繍した絹の布を、彼女は両手に捧げていた。それは彼女が刺繍したもので、それを父に見せようとして、探してここまで来たらしい。
姫の美しさは鳰鳥と異い、清浄であり無垢であった。麗人国を泥濘とすれば、彼女はそこへ咲いた蓮の花であった。周囲が余りに穢れているため、一層彼女は清浄に見えた。
その彼女の清浄さは、浮世を知らない清浄さであった。それは深窓の姫のみが持つ、痛々しいまでの美しさであった。
鳰鳥の美を動的とすれば、美麻奈姫の美は静的であった。鳰鳥はともすればコケットとなった。