후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
やがて彼方此方の陣屋から炊事の煙りが立ち昇り、馬の嘶き犬の吠え声または撃柝の凛々しい音が、ひとしきり賑かに聞こえたが、それも次第に静まり返り、陣屋から陣屋へ下知を伝える伝騎の勇ましい掛け声が、静寂を破るばかりであった。
この時、遥かの麓から、一団の黒い人影が陣屋の篝火を眼差しながら、黙々として登って来た。
一の木戸まで来た時に、忽ち番卒は声をかけた。
「何者なれば何処へ通る!」
「拙者は大日武者之助。お旗本までまかり通る!」
一団の中の頭領は前へ歩み出てすぐ答えた。
「大日殿でござったか。それはそれはご苦労千万」番卒の中の頭目らしい老年の武士はこう云ったが武者之助の背後に舁ぎ据えられた輿へ鋭く眼を注ぎ、「して、それなる輿の中には、いかなる物がござるかな?」
「女が一人入れてござる」
「女が入れられてござるとか? それではやっぱり奪捕物で? ……」
「いかにもさよう」と武者之助はいささか得意気に頷いて、「木曽家の内情を知っているらしい若い女子を捕らえてござる」
「それはお手柄でござったな。御大将にはお喜びでござろう。早々お通りなさるよう」
「しからばこれにてご免蒙る」