후리가나로 읽는 일본 고전
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
国枝 史郎의 蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 335,908자 · 669화면
突然その時山吹は鋭い声で遮った。
「いいえ、取り逃がしたのではござりません。右門は決して妻の私をみすみす敵の手に渡して置いて逃げ隠れするような卑怯者に、生まれついてはおりません。右門は千曲川の絶壁から真っ逆様に川の中へ切り込まれたのでございます」山吹の声は次第次第に悲しみの涙に閉ざされて、そのままプッツリ云い淀んだ。
「武者之助!」と冠者は呼びかけた。「それに相違あるまいな?」
「おおかた相違はござりませぬ。しかしここにただ一つ、右門殿が川へ落ちられたのは、私のために切り込まれた、それがためではござりませぬ。正直のところ、この私こそ右門殿のために切り立てられ、危かったのでござります。右門殿が川へ落ちられたのは、自分で足を踏み辷らせ、崖に積もった雪の上へ、仆れかかったからでござる。そのため雪が地辷りして、あったら大丈夫を水の底へ沈めましてございます」
勇猛の大日武者之助も、武者振り凛々しかった花村右門を敵ながら惜しく思われると見えて、暗然として云うのであった。
御嶽冠者も眼を抑えたが、やがていかにも残念気に、山吹の方へ会釈をした。
「吾らにとっては大敵ながら、花村甚五衛門殿のご器量には、恐れもし敬いもしておったるところ、その人の現在のご子息を、むざむざ殺した口惜しさ、まことに千秋の恨事でござる。