轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

「日光」1948(昭和23)年9月~1949(昭和24)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 218,436 字 · 437 页

青空文庫

飢えの行列

市十郎も、群れに交じって、白い温い粥を、ふウふウいってすすった。その美味さに、またも、涙がこぼれた。舌の味覚などというものではない。溶かした生命そのものを空虚な肉体へ充たしている感じだった。たちまち内に充溢してくる生命力が茶碗を置かないうちにありあり分った。

「……そうだ」

箸と茶碗をもどすと、彼は、たれに命じられたのでもなく、勃然と、思い立って、そこに落ちていた空俵の縄を拾った。

同苦坊や、ほかの世話人たちがしているように、彼もそれに倣って、縄襷をかけ、施粥の手伝いをし初めた。

誰も、咎めもしない代りに、礼もいわない。市十郎は、汗になるほど、働き廻った。

飢えの行列

大施粥は、午までに、予定の米俵の数を、みんな空にして、終った。

終ると、ゆうべの人々も、みな何処ともなく立ち去った。

ただ一人、市十郎だけは残って、同苦坊と共に、手伝っていた。

「……?」

同苦坊は、チラと、彼の顔を、注意して見た気ぶりもあったが、べつに何も訊ねもしなければ、御苦労と一言いうのでもなかった。

どこからか借りている貸車に、同苦坊は、大釜を積んだ。市十郎も、手を貸した。

「さて。