轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
「石狩川」大観堂、1939(昭和14)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 页
四
それは疲労を感じたこの場合の彼らに、思いを同じ流れにまとめたのである。海鳴りの聞える草葺き小屋のなかで、身を寄せあうようにした彼らの家族たちは、ひたすらにのぞみをかけて待っている――その姿もありありと見えるようであった。
「玉目どの、そなたのご婚礼は、一昨々年でござったかのう――左様、あのとき、白河口のたたかいに、そなたの父御は斬り死なされ、生き残ったそれがしは、――」
「ご老人――」と大野順平がさえぎった、「それはもう昔のこと、云わぬが花でござろうよ」
「生き恥じをさらしおります」と、戸田老人は鼻をおさえた。
四
しかし、めどはついたのであった。南西に向って流れる渓流は彼らの目ざすトウベツの地へ、沼から来る川となって灌漑しているものに合していた。いるべきであった。とにもかくにも、地図に示された一筆の青いうねりはそれに該当していた。この地附近を一度踏んだことのある案内人もそう裏書きするのだ。更に一押し進めば、見るからに肥沃なというトウベツの原野に出ることが出来るであろう。按ずるに――と彼らの行路を説明する阿賀妻であった、――北西の海から吹きあげる冷気を間断なく防いでいる屏風のごとき山つづきになやまされたのだ。