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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
「ちょっと待ってみよう」
六人はささやきかわして、そのありさまを見まもっていた。と思うと、X号は博士の頭の中から脳髄をつかみだし、自分の頭の中から取りだした脳髄と手ぎわよく入れかえたのである。
山形警部も、少年たちも、恐ろしさにがたがたと震えていた。
「また脳髄を入れかえたよ。こんどは博士のからだにはいっているのがほんとうの谷博士で、サルのからだにはいったのがX号だよ」
山形警部は、そっと少年たちの耳にささやいた。
手術はまたたくまに終りをつげた。まるでりんごかなしをおきかえるように、血一滴出ないくらいであった。
X号は谷博士のからだを、床の上に横たえると、すぐに部屋からとびだしたのである。
「よし、これで向こうの計画はわかった。X号は博士だけは後の役に立てるために生かしておいて、われわれだけを殺そうとするんだ。そのために、サルのからだにはいって、われわれをだまそうとしているんだ。だから、もうけっしてサルのいうことには、ゆだんをしちゃあいけないよ」
少年たちはごくりとつばをのみこんで、うなずいたのである。
まもなく、サルのからだにはいったX号は、この部屋の扉をひらいて姿をあらわした。